2016年6月19日日曜日

『感想:Her Story / ドラゴンクエストビルダーズ』

 引き続きポツポツと。

●Her Story
 Steamで発売中のADV。
 いや、正確に言うとこれを「ゲーム」だと認識するかは人によって大きく異なると思う。
 ただ個人的には間違いなく「ゲーム」であり、ADV好きはもちろん登場人物の人間関係や、物語との関わり方を整理し、考察するタイプのミステリー物が好きな方にオススメしたい一作。
 Her Storyの導入と進行は極めてシンプル。プレイヤーは旧式のデータベース端末を操作しながら、作中における1994年に発生した「ある事件」の取調映像を眺めていくことになる。
 映像に映っているのは、事件に関係のある一人の女性の姿であり、取調という形で投げかけられる刑事の質問に対し、彼女がどう答え、どのような表情・動作を見せるのかを観察していく。
 基本的にゲーム的な動作というのは、動画サイトのようにキーワードを入力して取調映像を検索していくことだけで、大半は映像を眺めるのみとなる。しかし検索には幾つかのパズル的な条件があり、目当ての動画を引き出す為には、プレイヤー自ら映像内の発言からキーワードを考える必要がある。
 言うなれば昔ながらのコマンド入力タイプのADVに近い。
 また、基本的にこの検索システム以外にゲーム側から与えられる要素は無く、「ある事件の真相」や「彼女の背景」等についてはプレイヤー自身が想像していく必要がある。この辺が人によってはゲームと認識できないかもしれないポイント。
 ただ彼女の言葉をメモし、整理し、欲しい動画に行き付く為の検索キーワードを考えながら事件を追っていく過程は間違いなくADVといえるし、断片的だった情報が一本の線として繋がっていくカタルシスは何事にも代えがたい瞬間。
 息抜きで始めたつもりが熱中し、休日一日をHer Storyに呑まれるほどにハマった一作ですな。
 是非とも遊んでほしいです。

●ドラゴンクエストビルダーズ
 DQ1ラストの竜王の質問に「はい」を答え、世界の半分をゆうしゃが手に入れた後の世界の話。
 発売前はMinecraftと比較されがちな作品で、実際自分も「ドラクエクラフト」と認識していたけど、蓋を開けてみれば想像以上に「ドラクエ」に満ちた物語でした。
 クラフト要素も確かにあるし、サンドボックス的ではあるのだけど、基本的にその辺はオプションに近く、物語を進める分には「建物も作れたりするアクションRPG」という感覚かな。
 章ごとに進行するストーリーや台詞回しは間違いなくいつものドラクエと言えるし、終盤へと向かうにつれロト三部作の関係性も見えたりしてファンには堪らない一作だと思います。
 惜しむらくは操作性周りに若干の難がありまして、本編を彩る成長要素としてのクラフトなら問題はないけど、本格的に建物を建てたりするにはちと物足りないところがある感じ。俺は本編クリアしたら満足してしまったので後悔はしてないけど、やはりマイクラを求めすぎると辛いかもしれない。
 どちらかというとTerraria的な方向性の作品だと思ってますね。
 章を跨ぐとインベントリや成長がリセットされる点に関しても賛否あると思うけど、章ごとに地域的な特徴や、クラフトを行う動機付けを変え、飽きさせないようにしていたので個人的には気にならなかったかな。
 2があるなら様々な惜しい部分は改良してほしいところ。