2015年11月14日土曜日

『感想:スチームワールドディグ / Mark of the Ninja / Devil's Third』

 何か色々ゲームはやっています! 感想、書いてませんでした!
 とりあえず夏頃にやっていたものの感想を纏めておきました。




●スチームワールドディグ
 俺が遊んだのは3DS版なんですが、PCを含めて各プラットフォームで配信されているらしいので機会があれば皆さん是非遊んでみましょう。と言えるぐらいにはそれなりに楽しいアクションゲーム。

 西部劇風の世界観をベースとしながらも、主人公はもちろん、全ての登場人物がロボットという異色な雰囲気を纏った今作。基本的には「タンブルトン」と呼ばれる寂れた街を舞台に、その地下に広がる鉱山を探索することで物語が進んでいきます。
 主人公であるラスティが鉱山を探索する理由は一つ。タンブルトンで暮らしていた伯父がつるはし片手に日夜この鉱山を掘り進めていたからです。伯父さんは何らかの目的を以って鉱山を探索していたようですが、ラスティが会いに行ったときには非業の死を遂げていた。彼は伯父が何をしていたのかを探るべく、同じようにしてつるはしを手に地下へ地下へと潜っていくわけです。

 基本的には横スクロールアクションでして、プレイの感覚は『メトロイド』や『ミスタードリラー』に近い。最近で言うと『Terraria』的でもあるかな。鉱山の大半は石や土といったブロックに埋まっており、それらをつるはし、ドリルといった装備で砕きながら移動範囲を広げて先を目指していきます。時折ブロックの中には鉱石が紛れており、それを回収して持ち帰ることで換金することが可能です。そうして得た金を使ってラスティの装備を強化していく。大体これの繰り返しになりますな。
 無論道中には敵も徘徊していますし、時にはパズルギミックが仕込まれた小部屋もあり、それらを攻略していくことで新たな装備やアクションを身に着けることも可能です。この辺りは『ロックマンX』のパーツカプセルの感覚に近いかな? 難易度としてはそんな高くないですし、プレイ時間も初見で6時間程度と短めではあるんですが、上記に挙げた作品が好きならば間違いなく楽しめるはず。

 惜しい所は『Terraria』でいう階段掘りが仕様としてできなかったり等、細かい部分に荒削りさが見えるところかな。先へ進む分にはテンポ良く遊べるのだけれど、エリアを隅々まで探索したり、自分だけの足場構築をして移動をスムーズにしてみたり、というこの手の探索アクションに付き纏う欲求を全て満たすことはできない、という感じ。どうしても操作性がままならない部分があるんですな。
 ただボリューム的にそれらがストレスへと変わる前にクリアできるようになってるので、個人的には目を瞑れるところではあります、はい。値段もそんな高くないので、ちょっとした時に遊べる良作ですよ。

●Mark of the Ninja
 これは素直に面白かった。Steamで販売されているPC版を遊びました。
 忍者といいつつも和風というよりはアジア系のノリを全て詰め込んでみました、な世界観でしたが、それを含めても面白いアクションになっていたなと。物語としてはシンプルなもので、一族の危機を救うべく、忍者である主人公が現代兵器を駆使する敵に立ち向かっていくようなお話。
 もちろんただ戦闘を繰り広げるだけではなく、両者の目的や忍者の背景に纏わるような展開もあるわけですが、それらの果てに行き付くラストシーンの演出が格好いいので是非遊んで確かめてもらいたいところです。この手のゲームにはつきものですが、翻訳の文章が堅めなので頭に入りにくいところはあるんですけどね。ただ大まかな流れだけ把握しておけばOKにはなっています。その上でラストはとても良い。

 ゲームとしては横スクロールアクションのステルスゲーになっています。徘徊する敵に気付かれないように隙を突きながら、時には道中に仕掛けられたトラップを掻い潜り、ステージごとに設けられた目標を達成して進んでいくゲームです。数多あるステルスゲー同様、敵は一定の強さが保証されていて、タイマンならまだしも多人数を相手にするにはこちらが脆すぎる設計です。その為、如何にして発見される前に効率良く敵を処理していくか、が求められます。
 また、敵の視界といったステルス性は「光」と「影」の概念で再現されており、基本的に光の届かない「影」に身をひそめている間は見つからないようになっています。そこに懐中電灯や部屋の光が届くことによって敵の視界が確保され、初めて発見されるようになっている。このゲーム特有の水墨画めいたグラフィックと合わさって、これらの光と影の描写が巧く表面化できていた気がしますな。

 アクション部分も、最初はシンプルな攻撃しか行えませんが、ステージをクリアして手に入るポイントを割り振ることで、様々な処刑アクションを実行できるようになるので、慣れれば慣れるほどスムーズかつスピーディーに敵を始末していく爽快感が味わえる仕組み。
 あとステージごとのクリア評価としては、キルにも一定のスコアが加算されるのが特徴かな。うまいこと遊べばキルをしても高いランクを目指せるようになっています。ただノーキルの方がスコア加算は大きいし、結果的には楽だよ、というバランス設定。
 隠しアイテムを回収するコレクション要素や、パズル的なチャレンジステージもありますし、ハマればストーリークリア後もずるずると楽しめる良作アクション。周回して慣れていくほど色々なアイテム・アクションを試したくなるので、気付けば全実績解除までやっていました。オススメ。

●Devil's Third
 元Team NINJAの板垣さんが独立後に発売したWiiUのアクションゲーム。
 発売に至るまでには紆余曲折あったようですが、NINJA GAIDENが好きだったのでとりあえずこれは遊んでみよう、となった次第でした。発売された8月に即購入してとりあえず本編とスコアタだけやって終わった感じですね。マルチプレイの方はイカちゃんもあったし、あまり興味を惹かれなかったのでほぼ放置という流れ。

 で、ゲームとしては末永く印象に残るアクション……とまではいかなかったんですが(残念なことに)、板垣アクションにシューター要素が乗っかったことで遠近の戦闘をスムーズに切り替えて動けるようになっていたのは素直に巧いと思っています。TPSにしろFPSにしろ、シューター系のゲームにとって近接攻撃というのは、意図的に使わない限りは緊急措置的に用意されている「手段」のひとつでしかないんですよね。
 操作性からして近接をメインでさせようというゲームも少ないですし。スキル面で近接が保証されているキャラもいる『Borderlands』シリーズすら殴りやすいかというと、やっぱ撃つ方に重きが置かれていると言わざるを得ない。
 そういう意味で今作は、NINJA GAIDENのように近接武器を主体とするTPS操作と、多用な銃器を使って遠距離から敵を処理していくシューター操作が違和感なく融合していて良かったかな。動かす上でも気軽に遠近の切替ができるんで、突出した操作性はないけれど、そのスムーズさが何よりの特徴だった、って感じですな。

 惜しい点としては、物語が先へと進むほど、その遠近のバランスが明確に崩れていくところかな。中盤までは「遠距離から銃器で処理する方が楽だが、近接でも凌げなくはない」という設計がされているんですけど、終盤になると殴られたら即死するような重装甲・高火力の敵がわらわら出てきて、一気に遠距離に傾くようになってしまっている。
 スコアタで2周目やるとハッキリとこの作り込みの違いが分かってしまうんですよね。スコアタは近接の方が倍率高めなので、スコア稼ごうとすると近接主体で動くことになるんですが、中盤までは試行錯誤で突破できるのに、終盤になると近接が明らかにステージに殺されていて稼ぎどころではなくなってしまう。むしろストレスフルな状態になってしまっている、という有様でして。
 エンディングまで序盤のプレイ感を維持してくれていればまだ良かったなーという印象です。ただまぁNINJA GAIDENとか好きだった人は遊んでみても良いんじゃないでしょーか。
 物語の中身はそんな濃くないですけど、全身イレズミハゲのイケメンおっさん(主人公)が濃いので問題ないです。このおっさんが敵を薙ぎ払っていくのを楽しむ話だと思えば大丈夫です。多分。