というわけで先日見てきました。
風邪っぴきだったので遠出はあんま出来ないな、ということで地元にある劇場で見たんですけども、変にネットやら身近やらで情報が出回ってくる前に見れて本当に良かったな、と感じるぐらいには「求めていたガルパンのイメージが砲弾となって押し寄せてくる映画」だったなと……。
や、なんか、もうそれぐらいしか書くことがないんですけどね。ただ変に感想を書こうとするとネタバレになってしまいますし、それならやっぱこういうところで書くしかないよな、ってPCと向き合ってみたところ、上の数行しか出てこなかったみたいな感じなんですけどね。こう、とにかく幸せな2時間でしたよ本当。
……まぁ、それだとわざわざ投稿しなくてもええやろ! となるので、詳しく感想を書いていきたいと思います。いや、ただこの衝動を文として書きたいだけだな! ただ本能に従って書きなぐってるだけですし、ネタバレも大量なので見てない人は読まない方が良いという誰得なデータ群です。
●正しく劇場版と呼べる空気作り
アニメにおける劇場版ってどういう立ち位置にあるのか、を考えてみると、幾つかのイメージが浮かんでくると思うんですが、個人的にはやっぱり「TVアニメ版とは異なる1時間半~2時間に凝縮された特別な物語が味わえる機会」なんですよね。
ここ数年ですと、TVアニメ版再構成+新規エピソード追加といった総集編とリメイクの中間を行くような劇場版も多いですが、やっぱり「かつて活躍したあの登場人物達が映画館で新たな事態に直面する」という特別感溢れる方が俺は好みだったりします。具体的には古い作品になってしまいますけど、『逮捕しちゃうぞ THE MOVIE』のようなパトレイバーを意識しすぎた結果ドシリアスムービーになってしまった奴とか、『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』のTVアニメ版の続編でありながらも、少し色彩の異なった特別感とか、そういうのが好きなんですよね。
まぁその辺に関しては感覚的なお話になっちゃうので前置きに過ぎないんですが、そういう意味でガルパン劇場版は「俺が求めていた"映画の空気"がやってきた!!」の一言に尽きるんですよ。冒頭からエキシビジョンマッチとして知波単学園・大洗女子学園VS聖グロリアーナ女学院・プラウダ高校による戦車バトルでこっちの心をガツンと掴み取ってくれますし、蝉の声や日差しによって生じる影といった「夏のノスタルジックさ」も盛り込んでくれているのもあって、僅か数分で「これは劇場版だからこそ描けるガルパンなんだ」とこちらの意識を引き込んでくれる。勝手な嗜好ですが劇場版と夏という季節設定はめっちゃ合うと思ってます。
戦闘シーンもTVアニメで刷り込まされている戦車道を更に突っ込んでくれたというか、話が進むごとに加速していく破壊の嵐は本編を越えたんじゃないだろうか……。なんていうかTVアニメ版が「ヒヤッホオオウ! 流石戦車道だぜ!」って感じで楽しんでいたとすれば、劇場版は「こ、これが本当の戦車道だったんだ……!」と思わず圧巻されてしまう感じである。こっちがイメージしていた映像を越える破壊の美学を突き付けてくる感じ。最後の方は間違いなく銀のスプレーを持ち出しそうな勢いで「やべーわ、戦車も破壊もやべーわ、これもうエンターテイメントだわ」みたいな喝采を挙げている。実際この文章も脳から直接垂れ流されている感ある。
この辺の楽しさに関しては、文章じゃ直接表現できないので、乱文になっちゃうのは勘弁してほしい。表現するにはもはや見ながら実況するしかないって感じだ。ただ本当、楽しく破壊してくれる戦闘のてんこ盛りだった。この段階でもう「これは映画じゃないと見れない!」となるし、大満足です。上映時間は2時間だけど、7~8割は戦車道。ガルパンの戦闘シーンが好きで何度も見直しちゃうって人は興奮が止まらんと思う。
●物語としては何と言ってもオールスターが熱い
さて、そういった興奮の文章は置いておいて、話としてはどうだったのか。
まず劇場版の肝となるのは、TVアニメで最終目標だった「大洗女子学園の廃校阻止」のその後の話となります。端的に言えば阻止されたはずの廃校処理が続行され、みほ達は自分達の帰る場所である学園艦すらも失って、僻地にある古い校舎での生活を余儀なくされる。廃校阻止を「口約束」として放り投げ、自分達の都合を優先して物事を進めていった文科省を相手に、生徒会長である杏は戦車道連盟等を巻き込みながら、再び「戦車道による大洗女子学園の存続」を目指していく。
この部分に関しては、もしかしたら「全12話で完結しているから掘り下げなくても良かったのに」と思う人もいるかもしれないが、個人的にはむしろ必要というか、目の前でその展開に入った時「ああ、なるほど」と納得してしまったのでこれといって不満はないかな。
というのも、大洗廃校を決定した文科省の役人が「全国大会優勝はまぐれ」といった発言をしているシーンがあるんですが、それに対して「ならばこれがまぐれじゃないことを証明してみせよう」という形で後半の戦闘シーンへ突入していくので、「本当のクライマックス感」が出てむしろ熱いな、と感じたんですよね。しかもみほ達が相手にするのは、これまで戦ってきた同じ高校生ではなく、社会人チームすらも撃破してのける大学選抜チーム。
しかもルールはプロリーグ式で相手チームを全滅させるまで終わらない殲滅戦。数、練度、ルール共にみほ達にとっては限りなく不利な状況での最終戦になっている。もうここまで「ラスボス」を用意されちゃったら「ありがとう、ありがとう」としか言えなくなってくる。
極めつけは試合開始に合わせて、これまで戦ってきた各校(+設定上は存在した継続などの新規校)のライバル達が大洗に短期転入して仲間として現れるところ。まさにオールスター戦車バトルである。実質高校選抜VS大学選抜といってもいい布陣。これだけでもうご飯が何杯も食えてしまう。文科省役人や戦車同連盟らのやり取りに僅かに含まれた「コメディ的な"してやったり"感」も合わせて、祭り的な面白さで熱いラストバトルを楽しめる。
もうこの前向きさが本当最高なんだよな……。
というわけで、映画でありながらも「真の最終回めいた」話でもあるガルパン劇場版なのだが、相手が最強の大学選抜チームともあれば、そりゃ戦闘も激化していくわなというわけで、ラストに込められた様々な破壊と連携、友情の演出はアニメ終了後からずっと求め続けていた新たなガールズ&パンツァーだったわけです。
今から円盤が待ち遠しいけど、多分これリピートで見に行くな……。
あと、継続高校の戦闘シーンはBGMも合わせて本当凄い。いやもう全部の戦闘シーン凄いんだけど、とにかく音と映像のテンポが最高なんですよな。
と書いてると延々話がループして凄い凄い言っちゃうのでおしまい。