端的に言えば最高だった。尊い。
(追記:冷静に考えるとアイカツ2nd見終わってから3ヶ月しか経っていなかった。
終わり。
……というのもアレなので。
●劇場版アイカツ! 感想
本編(TVアニメ版)にも言えることですが、積み重ねの物語だな、と強く感じる映画でした。
アイカツはトップアイドルへの憧れから自らもアイドルを志す、という世代を重ねて続くお話です。
それも豊富な尺を使って一世代を描き込み、次の新世代へと託していくからこそできるわけで、劇場版はそういったアイカツらしさの集大成といえる内容でした。
マスカレイドから神崎美月、神崎美月から星宮いちご、そして星宮いちごから大空あかりへ。劇場版はまさしくマスカレイドから星宮いちごへと至る1st・2ndシーズンの総決算であり、同時にそんな星宮いちごの姿に憧れ続けた大空あかりの新世代を告げる序章でもあります。
本編を見ている人は視聴必至の何かです。8クール分のアイカツが凝縮されています。
2ndシーズンの本当の最終回と言っても過言ではない。
まあ結果として、本編視聴組に対しては「とりあえず見よう。尊い」としか言えないのが困ったところだな!
開始5秒で泣ける、みたいな感想も当時見かけましたが、確かにこれは泣ける。SHINING LINE*とスターライトの面々が集結している様だけでこっちの心を掌握してくる。本編での蓄積があり、スタッフ側もそれを把握しているからこそのアイカツ愛に満ちた1時間半が楽しめますよ。
と、ベタ褒めな感想を書いたところで、冷静な劇場版の感想も書いておきたい。
一部ネタバレがあるので伏せてあります。
ここまで書いてしまうと「劇場版は初見の人には厳しいのかな?」と感じてしまうかもしれませんが、(個人的には)大丈夫だと思います。今作の絶妙なところは「初見でも把握できるよう配慮されている構成」にあります。ほぼオールスターキャストなので、登場するキャラクター数は膨大です。もしかしたら全員の名前を覚えるのは難しいかもしれません。しかし各キャラクター達がどんな個性を持ち、どういったポジションにあるのか、そういった基本的な関係図は掴めるんじゃないでしょうか。
登場時の台詞やポーズ、キャラクター同士の絡み方によって、少ししか登場しないキャラクターであっても、どういう人物なのかを示す最低限のアピールが盛り込まれているんですよね。主役ともいえる星宮いちご、霧矢あおい、紫吹蘭に関してはソレイユというユニットとしての風景を見せることで描写バッチリですし、裏の主役ともいえる神崎美月といちごの関係性や、3rdシーズン新主人公である大空あかりの補足も巧みです。
加えて、映画オリジナルキャラクターでもあるシンガーソングライターの花音も良かった。
↓ネタバレ
"恋の歌を得意とする彼女に対して、いちごは自身の新曲を頼もうとするわけですが、その製作過程において、いちごが美月に抱く感情はある意味で「恋に近いもの」なのではないか、と繋げていくんですよね。そしてクライマックスのライブシーンでは、その果てに出来た曲を歌うことになる。
この展開だけで「本編から独立した劇場版」として成立しているので、初見は初見で「星宮いちごと神崎美月の世代交代の物語」として楽しめるんじゃないかな、と感じました。"
本編を知っていると細かな展開で捗るわけですが、そういった部分無しでも見れるように描かれている。
一方で、そういった配慮に時間を割いている分、一部の演出に巻きを感じる箇所もあります。ライブシーンの既存曲のメドレーに関しては、もう少し余裕のある編集で見たかったとも思いましたし。ただ、だからこそオススメできる映画だと思います。本編に依存しない劇場版ってデカいですよ。
むしろ前知識無しの初見として劇場版を見てみたいというか、初見組の感想を聴いてみたいな、と思うぐらいですわ。なので、アイカツ本編見るのはボリューム的に辛いけど興味はあるって人は劇場版、良いんじゃないでしょうか。ここから本編に入るのも有りだと思いますよ。むしろチャンスだ!
……結局どっちも冷静とは言い難い興奮混じりの絶賛感想だったな!