普段1周目は慣らし運転的にストーリー進行重視で遊ぶんですが、今回は隠しクエを探したり、住民全員と会話をしたりして結構時間が掛かってしまった。まぁこの進行に応じて変化していく住民達との会話もガガーブから続く英雄伝説の持ち味なので、やっぱ見たくはなるんですよね。
特に閃シリーズは学院生全てに名前・プロフィールが用意されていますし、それがただのフレーバーではなく、メイン・サブイベント問わず、物語の背景で細かにリンクしていたりして、スタッフの愛を強く感じました。軌跡シリーズは毎作、同じ舞台を使っての前後編に分かれていますが、前編と変わらぬフィールドを巡っているのに楽しめてしまうのは、そういったテキスト面の整合性が徹底しているからなのかもしれません。
さて、以下の感想は完全にネタバレなのでご注意をば。
●トールズ士官学院の物語としては完結しているが、帝国としての話は未完
閃1が完全にお預けEDだったので、この分だと閃3まで出るんじゃないかと危惧していたわけですが、予想外に綺麗な終わり方をしてくれたので内心驚いています。しかし、『空の軌跡』のように主人公達の物語が完結したかというとそうではなく、むしろリィン達の物語はここから始まるのではないかな、と感じさせられるEDでした。
『閃の軌跡II』でトールズ士官学院の物語は完結しますが、それぞれの道を歩み始めたVII組の話はまだまだ続いていきそうです。実際鉄血宰相周りのネタとか、リィン自身の力の秘密とか明かされていない部分も多いですしね。
『碧の軌跡』でも、エピローグのクロスベル独立に至るまで「空白の2年」が存在していますし、閃2で帝国の管理下に置かれたクロスベルが登場したことから見ても、次回作はその「2年間の物語」が描かれるんじゃないかな、と予想してみたり。舞台はどうなるのか、主人公は誰なのか、という妄想も尽きませんが、水面下で動くロイド達特務支援課や、刻を経て再会したリィン達VII組が共闘するような展開になったら楽しそうです。
とまあ、個人的にはとても楽しめた閃2でした。
もっとも、閃1の感想を書いた時に危惧したように、やっぱり戦争は機甲兵による光景がメインになってしまっていたのが惜しかったかな。操作キャラで騎神に乗るのがリィンだけで本当に良かったな、という感じですが、帝国解放戦線がしれっとした顔で新型乗って現れた時は「お、おー……」というリアクションになってしまいました。
あとこれは閃シリーズだけの問題じゃないですが、毎作ネームドキャラが増えていくわりに、退場する人間が少ないので、設定面でのパワーバランスが大変なことになっていそうだなーと。まあ、ケレン味溢れる台詞を吐いては伏線を敷いて立ち去っていくインフレNPCとか
とはいえ、超強いアピールしながらも本編での出番が皆無に近かったネームドもいたので、次回作はもう少しセーブしてもいいんですよ、ファルコムさん!
この辺は「エレボニア帝国という最大の軍事国家が舞台だから」なのかもしれませんが。
俺はそういったやり取り好きなのでニヤニヤしながら遊んでるんですが、ガガーブトリロジーの面影が強かった『空の軌跡FC』が懐かしくなったり。多分もっとも好きなのは未だに空FCなんですよね。零~閃2は熾烈な戦いが続いていたんで、何処かでまた巡礼物やってほしいなと思います。
●ロード短縮、処理落ち改善と前作の不安要素は概ね解消
前作のネックであったロード時間に関しては、ほぼ体感できない程度に短縮されていますし(個人差はあります)、やたらカクカクしていた処理落ち周りも改善されています。一部の場面では処理落ちを感じられる箇所もありますけど、全体を通してみると一握り程度ですね。
非常に遊びやすくなっていて、これだけでも合格です。
もっとも、ゲーム面に関しては前作からそう大きくは変わっていないと思います。
オーバーライズ等の追加システムは実装されていますが、戦闘のスピードや爽快感を増す為の調整に近いので詳しくは公式を、という感じで。結果的に前作よりも戦術リンクからの追撃・ラッシュ・バーストが決めやすくなり、キャラごとの性能を活かすのが面白いですね。
やはりこういうのは効果音、数字といった視覚・聴覚の演出が大事だなーと感じました。
一方でバランス周りは大分限界がきているような気がします。
軌跡のシステムも改良を重ねつつも既に10年目ですから、今後もずっとATバトルを続けていくのは難しいんじゃないか、と素人目には感じられました。主に終盤の雑魚敵のHPインフレ化や、特定のビルドによるバランスブレイカーっぷり、アーツの有用性の低下(弱いわけではない)等かな。
バランスブレイカーに関しては各々で自粛すればいいわけですが、タウロス+覇道による初動攻撃倍化(最終的に+350%)からのSTR+50%、CP200Sクラフト、クリティカルボーナスを合わせての青天井っぷりには驚かされます。
この辺りはデータが増えてきた結果のシナジーなんでしょうが、神気合一したリィンで上記を実行すると全体40万ダメージを叩き出せるので、何とも業の深いビルドになってしまう。
大量に存在するデータの中で最適なビルドを模索する、というのは素直に楽しいですし、ATバトル自体も未だ捗るシステムなんですが、抜本的な改良がされた軌跡シリーズも遊びたいなあ、という感想です。でもゲームとしては超楽しみましたなー。
最終的に18人パーティの大御所でランダムダンジョン挑戦したりとか、楽しかったです。マジで。