・ダメージに応じた衣服破壊
・その衣服を自ら脱ぐことで火力を上げる
・揺れる揺れる乳が揺れる、立体視で乳が揺れる
・細かな衣装、装飾品でコスチュームチェンジも可能
・もちろん登場人物の九割は美少女、
といった色気要素をアクションに落とし込んだ作品ですな。
粗い部分は多くとも「遊べるキャラゲー」路線を狙っているところは好感触なこのシリーズ。早速今月発売された『閃乱カグラ2 -真紅-』も遊んできました。
今後にも期待したいですが、個人的な感想としては「無難過ぎて惜しい」だったかな?
ゲーム部分をガラっと変えたせいか、荒削りな調整が目立ったと思います。新たな操作性を受け入れると遊びやすくなるので、良い変化ではあるんですが、Burstの遊びやすさからは遠のいてしまった感じ。カグラ3でどこまで洗練されるか、に掛かっていると思います。
逆にいえば2で終わってしまうなら厳しいことになるかな。
ただ今作の最大のマイナスポイントは「シナリオ」だと感じました。今までがベストだったか、と言われるとNOなんですが、その上でも今作のシナリオは物足りなさが凄い。
そろそろ担当を北島さんから変えるか、根本から見直すかした方がいいような……。
相変わらずキャラクターは皆魅力的に描かれているので、あとは密度なんだよなあ。
ともあれ、下記には細かい感想。
いつも通りっちゃいつも通りですが、ネタバレあるかもしれないのでご注意を。
●ストーリーは「無印・Burst 半蔵編」の続き?
時間軸としては『閃乱カグラ -少女達の真影-(無印)』『閃乱カグラBurst -紅蓮の少女達-(Burst)』に収録されている半蔵編の続き。とはいえ、このシリーズは何れも独立したパラレルワールド扱いなので、繋がりや設定の整合性は気にしない方が良いかな。
実際、半蔵編の続きといえば続きですが、細かい設定・イベントには違いが見られますし、「半蔵編ベースのパラレルワールド」が正しい。VITAで発売された『閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-』は蛇女編の続きを想定しているようですし、3DSは半蔵編、VITAは蛇女編でパラレルしていくつもりなのかもしれません。
物語としては半蔵編での決戦後、蛇女を抜けた焔達が「焔紅蓮隊」を結成していく過程から入りつつ、日本各地に出現した妖魔や、シリーズ共通の黒幕である道元の野望、新規キャラである神楽・奈落の背景を描いていく感じですね。
この辺りの雰囲気は公式サイトでも確認できるかと思います。特に巨大妖魔の禍々しさは中々のデザインで熱い。これまで忍同士の戦いがメインだっただけに尚更ですね。
内容的には焔達の「抜け忍ライフ」が面白おかしく描かれていたのが好感触。
元々そういう気質があったとはいえ、まさか焔があそこまでの「残念イケメン美少女」として掘り下げられるとは……。焔好きなので良いぞもっとやれ、と俺得な状態ではありましたが。5章中2章は焔達のシナリオになっているので、蛇女サイドの面々が好きだった方は是非、という感じですね。
一方で、もう片方の主人公ともいえる飛鳥ら半蔵サイドの扱いは悪め。
焔達が「抜け忍」から物語へと関わっていくように、飛鳥達は新キャラクターでもある神楽・奈落達と関わることで、本筋たる「巨大妖魔との戦い」に介入していくことになるんですが、焔達に比べると掘り下げが殆ど無かったんですな。
5章中2章が焔達と書きましたが、残る3章は半蔵・紅蓮隊が入り混じる構成なので、振り返ってみると飛鳥達はゲスト枠なのでは……。
それに伴って飛鳥達と絡む神楽・奈落の描写も不足しがちとなり、物語の核心に関わっているはずなのにイマイチ物足りない、という結果に落ち着いてしまいました。話の流れや設定自体は熱いので、もっと面白くやれたんじゃないかなあ、という気分が付き纏います。
贅沢かもしれませんが、「半蔵編」「焔紅蓮隊編」でそれぞれのシナリオを用意しておき、両方クリアすると「合流編」になるぐらいのボリュームが欲しくなりますね。
致命的なのは、そういった描写不足を「理解できないなら戦おう。戦えば心は通じ合う」という、カグラシリーズ共通のテイストで誤魔化してしまったことかな。悪い意味でごり押し気味なシナリオでよろしくない。新規キャラ・設定は何れも魅力的なので、今後の作品で還元されてほしいところ。
特に神楽(覚醒)がプレイアブルで使える続編が欲しい。
●ゲーム性は一新、代償として荒削りさが目立つ
Burstに比べるとステージに奥行が追加されて、より3Dアクションになっています。
SHINOVI VERSUSほどの規模はないので、ゲームのテンポはあくまでもBurstの発展系。ただベルトスクロール感は薄くなった、というだけですね。
それに伴って操作性も一新されていますが、こちらは正直練り込みが甘い。
リミットブレイクや飛翔乱舞といったシステムが無くなり、敵のロックオン・自動追尾という概念が追加されました。リミットブレイクはまだしも飛翔乱舞はカグラシリーズの特徴と思っていたので、最初は正直違和感が拭えなかったかな。
ショートダッシュ、ロングダッシュのボタンもRに割り当てられたことにより、ロングダッシュはともかく回避目的でのショートダッシュはほぼ機能しなくなりました。今回、序盤の難易度がやたら高く設定されているので、ダッシュではなく新規操作を積極的に使う癖を付けないと厳しいかもしれない。
むしろ序盤が難しいのは「Burstまでの経験を捨て去れ」というメッセージなんじゃないだろうか。
実際、ロックオン・自動追尾に慣れてくると一気に遊びやすくなりましたしね。
全ステージがヌルゲーと化してしまうバランスブレイカーなコンボ(ジャンプ→X)もあるので、調整不足な印象は拭えないですが、試みとしては良い変化だったんじゃないかな、と思っています。
その他の新要素である「タッグバトル」や「妖魔の巣」など、好みなシステムも多かったですしね。
特にタッグバトルな! 組み合わせに応じて開始時や必殺技使用時の会話が変わるし、好感度が上がるとその台詞も変わってくるからGJといわざるを得ない。これは人によってはカップリングが捗るのではないだろうか。
巨大妖魔との戦いも攻略ギミックが追加されると面白くなるだろうし、カグラ3での発展に期待、が結論になってしまうかな。