2014年4月2日水曜日

『感想:METAL GEAR SOLID V : GROUND ZEROES』

 本編+サイドミッションを一通りクリアし、Sランクも取れるようになったので感想書いておきます。
 先行発売された海外でも言われていたように、ゲームとしては非常に短く、ストーリーとしても導入程度に終わっています。MGSシリーズで例えるならば"MGS2のタンカー編"が一番近いと思いますが、ボリュームとしてはより短めだと感じました。

 というのも、MGSV:GZは『MGSV:THE PHANTOM PAIN』へ至る"プロローグ"にあたるわけですが、それ以上に変化したゲーム性に慣れてもらおう、というデモ的な側面の方が強かったんですよね。なので体験版という表現が適しているわけなんですが、公式(というか小島監督)もその辺りは強調していましたし、ボリュームに関しては売り方に納得ができるか、という単純な話になってくると思います。

 参考までのプレイ時間ですが、初回プレイで一時間弱、サイドミッションやSランク取り等でズルズル遊んで五時間という感じです。報酬やコレクション要素などは触ってないので、そこをコンプリートしようとするともうちょい遊べるんじゃないでしょうか。

ゲームシステムとしては現代風に変化


 そんなMGSV:GZですが、従来と異なる遊び方を体感する分には、ほど良い作りになっていると思います。L3によるダッシュ、肩越し視点のエイミング、ライフの自動回復制と、今となっては定番ともいえる現代風TPSになっていて、そこにCQCやステルスといったMGSの特徴を混ぜ込んだ印象です。
 また、これまではステージ内に配置された敵兵・トラップをどうやり過ごしていくか、というパズル的な一本道アクションでしたが、今回からは広大なフィールドが舞台となったことで、いわゆるオープンワールドゲーのように攻略ルートを構築する楽しみもできました。

 それに伴って敵兵のAIも強化されており、普通に歩いているだけで警戒されるわ、麻酔銃を外しただけでクリアリングが行われるわと、今までの感覚で遊んでいると見つかりやすくなっていますね。敵の動きにもある程度のランダム性があり、目的地へ向かう方法も一つではありません。決まったルートも構築し辛いですから、柔軟に対応する必要があります。
 一方で、双眼鏡で敵兵をマーキングすることで、大まかな位置を視覚的に把握できるという、フレーバーに留まっていた"情報収集"が活用できるようになりましたし、繰り返しプレイするほどに遊びやすくなっていくバランスだと思います。

 あとは救済措置……ではないと思いますが、操作性が今風になったことで、真正面から敵兵とドンパチできるようになったのも大きい。これまでのMGSは戦闘しづらい操作性だったからこそ、ステルスでやり過ごした方が楽というゲームだったんですが、今回からはステルスに拘らないのであれば戦闘重視の進め方も有効になっています。
 というか、ノーマルだとむしろ戦った方が楽に思える。
 この辺ステルスゲーとしてはどうなんだ、という感じですが、ノーキル・ノーアラートを目指そうとすると難易度上がるので、個々人のプレイスタイルに委ねる形になったのかもしれません。

遊び心に欠ける部分もあるが、悪くない体験版

 
 何れにせよ、ゲームとしてはシリーズで一番遊びやすく、ビッグボスにもトリガーハッピーにもなれるという感じで悪くない触り心地でした。ただアクション部分が粗かったからこそ、斜め上なネタプレイができるという、これまでの遊び心は薄くなっていたかな?

 特にシリーズのお約束ともいえる"無線会話"が無くなっていたのは意外でしたね。正確には、プレイ中も常にカズとの無線が流されるという、リアルタイム重視の演出になっただけなんですが、いちいちメニューを開いてネタ会話を探すのもMGSの面白さだったので、本編ではその辺りが改善されてるといいなあ、という感じでしょうか。
 もっともMGS4からその傾向は見られたので、案外小島監督の作風というか、考え方が変わっただけなのかもしれません。

 そんなわけで、ゲーム部分には期待が持てますが、変に拘りすぎてボキャブラリーが少なくなっていたとも感じるGROUND ZEROESでした。値段・ボリュームは概ね予想通りだったので、特に不満とかはないんですが、それを前提としても淡白な印象がちらつきます。
 ただほぼムービーゲーであったMGS4と違い、あくまでもゲームであることが前面に出ていたので、そういう意味では『THE PHANTOM PAIN』に期待できるかな?
 ストーリーは本当にプロローグサイズなので、ここでは書かないでおきます。
 お買い得かどうかは……個人差ありそうでちょっと解らない! 体験版としては楽しいぜ!