2013年12月18日水曜日

プレイレポート『トーキョーN◎VA:宗教裁判』

◆アクトトレーラー(ハンドアウトより)
 真教教会N◎VA支部の新教区長を選出する、選挙を来月に控えた冬のある日。
 候補者のひとりである司祭「クレア・マリアンヌ」が、レッドエリアにある教会に奉仕活動に出掛けた帰りに護衛と共に行方不明になり、後日遺体で発見される。
 犯罪組織同士の抗争に巻き込まれたのではないかと疑われていたが、調べが進む内に『カリスマ』の片腕ジェシー・レコバが護衛を代理で引き受けており、彼女の死体が見つかってない事から、『カリスマ』が命じてクレアを暗殺したのではないかと、疑われ始める。

 『カリスマ』もまた新しい教区長に立候補している一人である。
 真相を確かめ、教会に害をなす物を排除したい断罪卿ヨーゼフ・ローゼンベルグは『クグツ』を派遣。事件の全用を確かめるよう命じる。
 一方姉を失ったシスターマリアンヌは、『フェイト』に事件の調査を求める。


 トーキョーN◎VA THE AXLERATION
 「宗教裁判」
 新区長の椅子を求めて、数多くの陰謀が渦巻く。
 かくて運命の扉は開かれた。

 というわけでトーキョーN◎VAのプレイも三回目となりました。
 すげえ! 俺、二回連続でプレイヤーやってる!
 まあ、それはさておき三回目です。面子は前回プレイレポートを書いた時と同じメンバー。
 紆余曲折を経てキャストは全員新規作成でスタートし、此度のアクトに臨むこととなったわけです。

◆メンバー紹介
▼RL:水無月九龍
 今回RLを担当してくれたのは水無月さん。
 身内界隈では良くも悪くも戦闘バランスの苛烈さに定評があり、以前遊んだアリアンロッド2Eでも阿鼻叫喚を味わったのは記憶に新しい。
 はたしてトーキョーN◎VAではどのようなゲストが待ち受けているのか……と蓋を開けてみたら、うんまあ、やはりしんどかったですが、無事突破できたのでそこは結果オーライということで。

▼PC①『カリスマ』 : "声亡し"ヨハンネス PL:Uyu
 経歴の一切が不明という、真教教会N◎VA支部の神父。
 二十年以上前から教会に在籍しているというが、その存在を証明するIDも偽造品であり、彼の本質を知る者は存在しない。
 判明しているのはストリート出身であることと、"神導音"と呼ばれる声を用いて思考力を奪うことができるという点のみ。まさに天性の力を用いて勢力を拡大してきた偉才とも言えるだろう。
 常にミラーシェイドを装着し、その表情をうかがい知ることはできない。
 傍らには常にカタリナと呼ばれる《腹心》を控えさせているという。

 多分N◎VAでは珍しいと思われるカリスマハンドアウトのPC①。
 今回は教区長選挙に絡んでの陰謀に巻き込まれ、宗教裁判にかけられるというホットスタートなポジション。スタイルがカリスマ◎/クロマク●/レッガーということもあり、アクトを通して泰然とした言動が目立ったキャストだったといえるでしょう。
 しかしシナリオの都合上、序盤の行動に制限が掛かっていたこともあり、他のキャストとは《腹心》であるカタリナという少女を通じて接触することに。正直なところ、かなり難しい立ち位置だったと思うのですが、カタリナを使って巧く立ち回っていたと思います。
 特に裁判シーンにおける《不可触》の使い方は巧みだった。RLがアクト前に「逆転裁判」をイメージソースに挙げていた記憶があるんですが、まさにその光景が浮かぶような逆転演出。
 《腹心》であるカタリナのキャラクターも和風的な従者で俺のツボを突いていました。
 なんというか、常にログ・ホライズンのアカツキちゃんが脳内で飛び交っていてですね……。
 でも《腹心》の演出で彼女は瀕死になりました。俺の心が吠えました。今後キャストになって復活すると信じています。
 あとは「何処に通じているのか解らない"黒電話"への報告」など、これまでのアクト同様、キャストの背景を匂わせる小粋なギミックが映えていたなーと感じました。

▼PC②『クグツ』 : "異端技官"ヴァルター・ギレスベルガー PL:五十嵐
 "断罪卿"ヨーゼフ・ローゼンベルグの下、真教教会・異端改宗局に所属する構成員。
 局が保有する"異端技術"を駆使できるよう訓練されており、まさしく異端を狩る為の異端として存在している。表向きは敬虔な信者として登録されているが、組織の性質上、虚飾に彩られた背景であることは言うまでもない。
 本人は飄々とした性格で、口では人殺しを敬遠しながらも、実際はそれを楽しむ側面を持ち合わせている。

 今回使用したキャストでした。教会内で発生した事件及び裁判の真相を見極めるポジション。
 ハンドアウトの指定はクグツだったんですが、RLから「真教教会に属する意味でのクグツ」という指定を受けたので、それなら異端改宗局という美味しい部署もあることだし、処刑人っぽいキャストをやろうかなということになりました。
 外見のイメージモデルは『軍靴のバルツァー』の主人公であるベルント・バルツァー。
 スタイルはクグツ◎/カゲ●/チャクラで、ワイヤーを使って近接戦を行うポジション。とはいえ、データ周りはかなり苦心しまして、一度作り直していたりもします。
 前回に引き続きアタッカーということで、〈裏予算〉で報酬点を獲得しつつ、〈†葉隠〉やサイバーウェアを合わせてXダメージを叩き込む役割。

▼PC③『フェイト』 : ギブスン PL:Urakawa
 史上初のAI生命体「アルファ=オメガ」によって、千早トロンからサルベージされたゴースト。
 その経歴は不詳。旧世代の圧縮方式で人格データを保存していたことから、災厄以前の存在と推定される。意識体故に生身の体を持たないため、義体を介して探偵業を営んでいる。
 古き知識とニューロとしてのスキルを用いて事件解決に尽力する。
 また、とりわけ金銭に執着しているようだが、これは自身の脆弱な社会地位を踏まえた保身でもあるらしい。

 真教教会N◎VA地区内で起こった事件を捜査することになったフェイト。
 唯一生身を持たない完全義体として参戦したキャストでしたが、アクトを通してその設定を生かした演出が光っていたと思います。こちらのキャストとはコネクション的に知り合いということになったので、早い段階からチームを組んで行動を共にしていました。
 サポートに特化していたので、リサーチ・カット進行共に助けられた縁の下の力持ち。
 実際彼女がいなければ何度か全滅していただろう、という分岐点が存在していたと思います。
 そういう意味でも物凄く助かりました。実にニューロをやっていたキャストだったかな。

◆アクト感想
 裁判物ということで複雑なフラグが盛り込まれているのかな、と想像していたのですが、蓋を開けてみると結構王道なサスペンス物だったと思います。教会内部で発生した殺人事件、容疑者として挙がったのは選挙を間近に控えたPC①であり、他のキャスト達は各々の事情から、事件の真相を探り始めるというアレです。
 アクトとしては主に前半・後半に分かれていて、前半部のリサーチ・裁判(カット進行)でPC①の無実を証明し、後半部で真犯人を明らかにして追求する、という構成になっていたかな。
 元々裁判シーンには色々特殊ルールがあったようなのですが、諸々の関係からシンプルな形に変更されたようです。裁判がどういう形で展開されるのかイマイチ読めなかったこともあり、前半部は動きがぎこちなくなってしまったかな、と自分の行動を振り返りつつ。

 カット進行は水無月世界と言いますか、正直紙一重で首皮一枚繋がったようなバランスだったと思います。でも一応「一番優しいバランス」だったようです。《完全偽装》でフラグ立てなかったらもっとヤバかったらしいので、危険が危ない。
 ヨハンネスとギブスンのカット中成長やサポート諸々が無かったら、あるいは手札の関係でそれらが不発になっていたら、どれが欠けても全滅していた未来が見えます。本当、サポートって物凄くありがたい存在だよね!(脳筋)
 まあ、生き延びたので結果オーライという感じですが、今回はゲスト・トループが多く、N◎VAにおける「手数」の重要性を感じた戦闘でもありました。初期キャスト想定で自作シナリオ作るなら、敵の数はキャストと同じか、1少ないぐらいが丁度良さそうですね。今後の参考にもなった。
 あとは真犯人でもあったゲスト(ボス)について。彼が自らに《神の御言葉》を打ったのは意外だったかな。《神の御言葉》は間違いなく持っているだろうと想定していたんですが、攻撃系だったので相打ち覚悟で殴ってくるんだろうと思っていました。ところが、実際はキャストではなく、自らに用いて「記憶を消す」という演出をやってのけたんですよね。ああいう神業の使い方もあるんだなあ。

 とまあ、そんなわけで、戦闘バランスは苛烈でしたが、シナリオ自体はストレートでございました。次回はUyuさんがRLをやるということで、どんなアクトが巻き起こるのかな。何でも連続首なし殺人事件が軸になるとのことで。前後編に分かれるとも聞いたので楽しみにしつつ。